どっちがゴールのチャンス?今さら聞けない「コーナーキック」と「スローイン」の決定的な違いを徹底解説

サッカーの基本ルール

「うわー、今の惜しい!」「あ、ボール出ちゃった…」

サッカー観戦って、手に汗握る展開の連続で本当に面白いですよね。でも、盛り上がってきたところで急にプレーが止まって、「…えっと、今のは何?」「どっちのボール?」なんて、一瞬思考がフリーズしてしまうこと、ありませんか?
特に、ボールがラインの外に出た後に行われる「コーナーキック」と「スローイン」。なんとなく「プレーが再開するんだな」とは分かっていても、その違いや意味をはっきりと説明できる人は意外と少ないかもしれません。

しかし、断言します。この2つのプレー、似ているようでチャンスの大きさは天と地ほど違います。この記事を読み終える頃には、あなたはもう初心者ではありません。「コーナーキック」と「スローイン」の違いが、誰にでも説明できる。どちらがゴールのチャンスなのか、一瞬で見分けられる。なんとなく見ていた試合が、次のプレーを予測できるエキサイティングな頭脳戦に変わる。

さあ、ワールドカップイヤーを最高に楽しむ準備はいいですか?サッカー観戦の解像度をグッと上げる、魔法の知識を手に入れにいきましょう!

守備側の選手がボールを出したら大チャンス!これがコーナーキックのルール

まず結論から。コーナーキックは、攻撃側にとって絶好の得点チャンスです。スタジアムのボルテージが最高潮に達する、サッカーで最もエキサイティングな瞬間の一つと言えるでしょう。では、どんな時にコーナーキックになるのでしょうか?ルールはとてもシンプルです。

コーナーキックはいつ、どうやって行われる?

  • いつ?:守備側の選手が、最後にボールに触れて「自陣のゴールライン(ゴールの横の短い線)」からボールを出してしまった時。
  • どこから?:攻撃側の選手が、ボールが出た側の「コーナーエリア(フィールドの角にある扇形のエリア)」にボールをセットします。
  • どうやって?:セットしたボールを足で蹴って、ゴール前の味方にパスを送ります。

ポイントは「守備側が出した」という点。守備側が犯したミスによって、攻撃側に大きなプレゼントが与えられる、というイメージを持つと分かりやすいでしょう。

初心者が抱く「なぜ?」に答えるQ&Aコーナー

Q1. なんでこんなに大チャンスなの?
A. 理由は大きく3つあります。

  1. ゴールのすぐ近くからプレーを再開できるから。
  2. 助走をつけて強く、速いボールをゴール前に送れるから。
  3. そして最大の理由が、次に説明する「オフサイドがない」からです。

Q2. コーナーキックの時にオフサイドはないの?
A. はい、ありません! 通常のプレーでは、相手ディフェンスラインの裏でパスを受けると「オフサイド」という反則になりますが、コーナーキックからはオフサイドが適用されないのです。そのため、攻撃側の選手はゴール前に殺到し、得点を狙うことができます。これが、コーナーキックが「大チャンス」と言われる最大の理由です。

Q3. 直接ゴールに入れてもOK?
A. もちろんOKです!コーナーキックから誰も触らずに直接ゴールに入ることを「オリンピックゴール」と呼びます。プロの試合でも滅多に見られない、非常に美しいスーパープレーです。

え、足が浮いたらダメなの?意外と知らないスローインの細かいルール

コーナーキックが「大チャンス」なら、スローインは「公平なリスタート」と考えると良いでしょう。プレーが途切れたサイドラインから、試合を安全に再開するためのルールです。

スローインはいつ、どうやって行われる?

  • いつ?:どちらかのチームの選手が、ボールに触れて「タッチライン(サイドの長い線)」からボールを出した時。
  • 誰が?:最後にボールに触った選手の「相手チーム」が投げ入れます。Aチームの選手が触って出たら、Bチームのスローイン、というわけです。
  • どうやって?:ボールが出た地点から、正しいフォームでボールを投げ入れます。

この「正しいフォーム」が、初心者がつまずきやすいポイント。実は、プロ選手でさえミスをしてしまうほど細かい決まりがあるのです。

これが正しいフォーム!ファールスローを徹底解剖

スローインには、以下のルールを守らなければ「ファールスロー(反則)」となり、相手チームのスローインになってしまいます。

  1. 両手でボールを持つこと:片手でボールを投げるのはNGです。しっかりと両手でボールを保持します。
  2. 頭の後ろから、頭の上を通して投げること:ボールを頭の後ろまで持っていき、アーチを描くように頭の上を通して投げなければなりません。胸の前から押し出すような投げ方は反則です。
  3. 両足が地面についていること:これが一番多いファールかもしれません。投げる瞬間に片足が浮いてしまったり、ジャンプしながら投げたりすると反則になります。両足は地面につけておくか、かかとが少し浮く程度ならOKです。
  4. タッチラインを踏むか、外側に立つこと:ラインを完全に越えて、フィールドの中に入って投げてはいけません。

初心者が抱く「なぜ?」に答えるQ&Aコーナー

Q1. なんでこんなに細かいルールがあるの?
A. 不公平が生じないようにするためです。例えば、助走をつけてジャンプしながら投げれば遠くに投げられますが、それでは投げる人によって有利不利が生まれてしまいます。誰もが同じ条件でリスタートできるよう、細かいルールが定められているのです。

Q2. スローインから直接ゴールを投げ込んでも点になる?
A. いいえ、得点にはなりません。 スローインのボールが直接ゴールに入っても、ゴールキック(守備側からのリスタート)で再開されます。必ず、自分か相手チームの誰かが一度ボールに触れる必要があります。

得点確率が全然ちがう!コーナーキックが「大チャンス」と言われる理由

さて、それぞれのルールが分かったところで、いよいよ本題です。なぜコーナーキックが「大チャンス」で、スローインはそうでもないのか。その「決定的な違い」を表で比較してみましょう。

比較項目コーナーキック(大チャンス)スローイン(リスタート)
発生場所敵陣ゴールの一番近い角(超一等地!)フィールドの横(ゴールから遠いことが多い)
プレー方法足でキック(強く、速く、曲がる)手でスロー(距離や速さに限界がある)
ゴールへの脅威非常に高い。直接ゴールもOK低い。直接ゴールは認められない
オフサイド適用されない適用されない
得点確率の目安約3%~5%の確率で得点に繋がるほぼ0%(※ロングスローは例外)

この表を見れば一目瞭然ですね。チャンスの度合いに違いが生まれる理由は、主に3つです。

  1. ボールの質の違い:トッププレイヤーが足で蹴るボールは、時速100kmを超え、鋭く曲がります。一方、手で投げるボールには、そこまでのスピードや変化はありません。ゴール前に送られるボールの「質」が、全く違うのです。
  2. 場所の優位性:コーナーキックは、ゴールのすぐ横という「超一等地」から攻撃を始められます。一方、スローインはゴールから遠いタッチラインから始まることがほとんど。スタート地点が圧倒的に違うのです。
  3. 戦術の多様性:コーナーキックはオフサイドがないため、身長の高い選手をゴール前に集めて高さで勝負したり、サインプレーで相手をかく乱したりと、得点に特化した戦術を使いやすいのです。

次のプレーを予測する!コーナーキックとスローインから始まる攻撃

ルールとチャンスの違いが分かったら、観戦は次のステージへ。「これからどんな攻撃が始まるんだろう?」と予測できるようになると、サッカー観戦は一気に面白くなります。

  • コーナーキックから生まれる攻撃パターン
  1. 王道のクロスボール(ニア or ファー)最も多いのが、ゴール前に直接ボールを放り込むパターン。ゴールキーパーに近い「ニアサイド」を狙うのか、遠い「ファーサイド」を狙うのか。キッカーのボールの質と、味方の動き出しに注目です。
  2. ショートコーナー意表を突いて、近くにいる味方に短いパスを出す作戦です。相手の守備陣形を崩したり、ドリブルで仕掛ける角度を作ったりするために使われます。これが見られたら「お、何か狙ってるな」と思って間違いありません。
  • スローインから生まれる攻撃パターン
  1. 安全なリスタートほとんどのスローインはこれ。近くの味方に安全にパスを出し、もう一度ゆっくりと攻撃を組み立て直します。
  2. 【例外的な大チャンス】ロングスローごく稀に、スローインがコーナーキック級のチャンスになることがあります。それが、驚異的な肩の強さを持つ選手による「ロングスロー」です。手で投げているにも関わらず、ボールはゴール前まで届き、大きな混乱を生み出します。この“飛び道具”を持った選手がいるチームは、敵陣でのスローインが全てチャンスに変わります。

これでスッキリ!「コーナーキック」と「スローイン」を一瞬で見分けるコツ

ここまで読んだあなたなら、もう大丈夫。最後に、実際の試合で使える究極にシンプルな見分け方をお教えします。見るべきポイントは、たったの2つです。

【フローチャートで簡単診断】今のプレーはどっち?

Step 1. ボールはどのラインから出た?
ゴールの横の線(ゴールライン)から出た
→ Step 2 へ進む
サイドの長い線(タッチライン)から出た
→ 「スローイン」で確定!

Step 2. (ゴールラインから出た場合)最後にボールに触ったのはどっちのチーム?
守備側チームが触った
→ 「コーナーキック」で確定!(攻撃側のチャンス!)
攻撃側チームが触った
→ 「ゴールキック」で確定!(守備側キーパーからのリスタート)

どうですか?とてもシンプルですよね。観戦中は「①出たライン」と「②最後に触った選手」この2つだけを意識してみてください。あなたの動体視力とサッカー理解度は、今日から格段にアップします。

もう迷わない!次の観戦が待ち遠しくなる

さて、「コーナーキック」と「スローイン」の決定的な違い、お分かりいただけたでしょうか。

  • ゴール横のゴールラインから、守備側が出したら「コーナーキック」(大チャンス!)
  • サイドのタッチラインから出たら「スローイン」(リスタート)

この違いが分かるだけで、試合の流れが驚くほどクリアに見えてきます。「今のプレーはチャンスなのか、それとも仕切り直しか」を判断できるだけで、一喜一憂の質が変わり、観戦の深みが格段に増すはずです。

もう、あなたは「今のどっち?」と迷う初心者ではありません。プレーの価値を理解できる、立派なサッカーファンです!

次の試合では、ぜひ「あ、これはビッグチャンス!」「なるほど、ここはスローインで落ち着かせるのか」と、心の中で実況しながら観戦してみてください。楽しさが何倍にもなることをお約束します。

サッカーのルールは、知れば知るほど奥深く、面白いものばかりです。これからも一緒に、ワールドカップに向けて知識を深めていきましょう!

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